中学や高校生のときって、オトナになって思い起こしたらどうってことないようなことで、悩んだり、落ち込んだりする。そんな誰もが通過したであろう、人生で一度きりしかない透明なビー玉みたいな時間を切り抜いている映画。
エモーショナルな瞬間を切り抜く
茜というキャラクターは自分が傷つきたくないから、がんばって優等生を演じているのに、結果的に、人の顔色をうかがって言いたいことを我慢している女の子。なんとなく、身近にいたり、身に覚えのある人もいるのではないだろうか??
そのため、自分の素顔を隠すための仮面として用いるのが、マスクに依存していることが本作のポイントである。物語は茜視点で描かれるが、その”仮面”を外す勇気…少しずつ心を解放していくためのキッカケは自由奔放な青磁の気持ちだ。その気持ちもまたエモいのだ。
そんなセンセーショナルな内面も含め、高校生の青春真っ只中を描く上で大切なのはリアリティである。
茜役の久間田琳加さんは、クランクイン前から現役高校生にヒアリングをし、役作りに励んでいたとのこと。また、白岩瑠姫さんは映画初出演かつ映画初主演のため、多忙なスケジュールの合間を縫い、撮影前のリハーサルを重ねて、青磁という役に向き合っていた。
また、原作はコロナ禍前に書かれた小説だったが、現実世界でも、マスクが手放せない環境になったことも、よりリアルに感じられる要素になったと思う。
「今、この作品を映像化することで、もしかするとすごく救われる(中高生の)方々がいらっしゃるんじゃないかという気持ちですね。一番気を付けたのは、マスクをすることを否定しないこと。マスクを外すことを促すようなシーンを入れないことは、繊細に考えていきました。本心をさらけ出せない茜にとってマスクはお守りのようなアイテムですが、実際コロナ禍になって、同級生の顔を知らないまま学生生活を終えていく子たちもたくさんいます。だからいきなり、“マスク着用が個人の判断に委ねられる”と言われても戸惑うのは当たり前だし、心の整理をする時間が必要なんじゃないかなと。そんな方たちにこの映画が届いたらいいなという想いで、脚本を作っていきました」と酒井麻衣監督は語る。
ちなみに、個人的にイマドキだなぁと感じた描写は、自習時間中にAirDropで聴いている音楽をシェアするところ。
作品を彩るカラフルでファンタジーな世界観
酒井監督は2015年に自主制作映画『いいにおいのする映画』で注目され、「光」を活かした”カラフル”な色使い。そして、初商業レビュー作『はらはらなのか。』(17)で登場人物の生活を飾ったファンタジックな空間や小道具など、「色彩」と「幻想」を得意とする作家性は健在。カラフルだがガラスのように透明感もある世界観で本作を描く。
また、ポスタービジュアルの制作には、今後のクリエイティブシーンを担う若き才能が集結。フィルムで行ったスチール撮影は「ポカリスエット」、「代々木ゼミナール」などの企業広告や『最後まで行く』(23)のポスター撮影も担当した増田彩来さん。ビジュアルの縁を彩る絵の具のテクスチャー、マチエールを施したのは、アーティストの朝霧レオさん。本作には絵画監修として劇中に多数登場する絵画のディレクションや制作を手がける他、白岩の絵画指導も担当。
『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』作品情報
無彩色で息苦しいこの世界。
救い出してくれたのは、“私を嫌い”な君でした。
高校二年生の茜は、しっかり者で誰からも信頼される学級委員長。小学生の頃の“ある出来事”が原因で、学校ではマスクが手放せない。クラスでは明るく皆から好かれる「優等生」に、家庭では家事の手伝いから妹の面倒まで完璧にこなす「良い娘」になりきっていたが、ある日突然、銀髪のクラスメイト・青磁に「俺、お前のことが大嫌い」と言われてしまう。
美術部に所属する青磁は、絵を描くことを何よりも愛する学年一の人気者。茜とは正反対の自由奔放な性格で、文化祭のクラスの出し物がダンスに決まるも、「絵を描く時間を邪魔されたくない」とひとり消極的なまま。しかし、青磁は思い思いの意見を口にするクラスメイトたちに手をこまねく茜を見かね、代わりにクラスをまとめ上げると、見事ダンスを成功へと導くのだった。
自分のふがいなさを思い知った茜は、ふと入った美術室で、今まで見たこともない美しい「空」の絵を見つける。作者は青磁。絵を見つめながら、茜はいつの間にか自分が泣いていることに気付く。そこにやってきた青磁は、思い立ったように茜を屋上へと連れていく。
「この世界は全部俺のものだ。そして、この世界はお前のものでもある」
目の前に広がる青空はどこまでも美しく、まっすぐな青磁の言葉に、今まで無彩色だった世界が少しだけカラフルに色づいたように感じる茜。いつしか茜は青磁の隣で過ごす時間だけは、マスクを外せるように。
次第に距離を縮めていくふたりの秘められた過去がやがて重なりあい、初めて誰にも言えなかった想いがあふれ出していく。
出 演|白岩瑠姫(JO1) 久間田琳加
箭内夢菜 吉田ウーロン太 今井隆文
上杉柊平 鶴田真由
監 督|酒井麻衣
原 作|汐見夏衛「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」(スターツ出版刊)
脚 本|イ・ナウォン 酒井麻衣
音 楽|横山 克 濱田菜月
主題歌|JO1「Gradation」(LAPONE Entertainment)
配 給|アスミック・エース
公式サイト https://yorukimi.asmik-ace.co.jp/
2023年9月1日(金)より札幌シネマフロンティア、ユナイテッド・シネマ札幌ほかで公開
Writer/Edit:矢武企画
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プレゼントキャンペーン
<プレゼント>
映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』オリジナル付箋を抽選で2名様にプレゼント!
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<規約>
「矢武企画」(以下「主催者」と記載)が行う本プレゼントキャンペーンにご応募いただく前に、本規約をお読みいただき、同意の上ご応募ください。 本キャンペーンにご応募された場合、本規約にご同意いただいたものとみなします。万一、本規約にご同意いただけない場合には、キャンペーンへの応募はご遠慮ください。
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