「キャプテン・ポップコーン」内で紹介にした映画です。魂が揺さぶられた快(怪)作と出会えました。
『箱男』
本年のベルリン国際映画祭・ディレクターから「今年一番クレイジーな映画」と言われた映画『箱男』 。
それは人間が望む最終形態、すべてから完全に解き放たれた存在。ダンボールを頭からすっぽりと被り、都市を徘徊し、覗き窓から一方的に世界を覗き、ひたすら妄想をノートに記述する。カメラマンである“わたし”(永瀬正敏)は、街で偶然目にした箱男に心を奪われ、自らもダンボールをかぶり、のぞき窓を開け、遂にその一歩を踏み出すことに。
しかし、本物の『箱男』になる道は険しく、数々の試練と危険が襲いかかる。
“わたし”をつけ狙い『箱男』の存在を乗っ取ろうとするニセ医者(浅野忠信)、すべてを操り『箱男』を完全犯罪に利用しようと企む軍医(佐藤浩市) “わたし”を誘惑する謎の女・葉子(白本彩奈)……。
果たして“わたし”は本物の『箱男』になれるのか。
作家・安部公房(あべ・こうぼう)が1973年に発表した同名長編小説を、『狂い咲きサンダーロード』などの石井岳龍(いしいがくりゅう)が脚本・監督。1997年に映画の製作が決定したもののクランクイン直前に撮影が頓挫してしまった幻の企画が、27年・・・奇しくも安部公房生誕100年にあたる2024年の時を経て実現!!
映画の感想
【映画星取ポイント】・・・4.0ポイント! [各0.5point]
●映画としての質が素晴らしい
●テーマ構成・題材が良い
●映画としておもしろかった!
●「観て良かったな」と思う・出会えてよかった
●映画館の環境で観ることをお勧めしたい
●宣伝(ポスタービジュアル・予告etc)が好き
●パンフレットが欲しい
●特筆すべき魅力がある映画
アバンギャルドな作品だ!
これまでも、前衛的な映画は観てきたが、あくまでも頭の中で理解であって、感覚的にはよく分かってなかった。
が!! 本作はまぎれもなく導入部分から「前衛的な映画」と、が揺さぶられた!
監督名や予告編を見て「アート系作品側かな?」と、構えてしまうが、観てみたら、エンタメかつギャグであり、ミステリー的な要素が目立つ。
そして、日本を代表する名優陣が、箱の中に入って、演技する。目線しか出ていない。目線だけでも表情が伝わる!
ほぼダンボールがメインアイテムであり、メインウェポンな本作。
ダンボールの中はあんなに広くないし、機能的なスペースがあるわけない。防御性も機動性もあるわけない。そんなフツーのダンボール箱なはずなのに、アクションシーンは、SF的戦闘ロボット映画を見ているようなかっこよさと興奮がある。不思議だ・・・。メインキャスト4名の天才的な芝居。
プロのオトナたちが創造と全力で闘って、楽しんでいる感じ。
石井作品の新しい歴史になる快(怪)作になるのではないか??
※映画の感想全文版は下の画像をクリック
道内公開劇場
札幌シネマフロンティアで8月23日(金)から公開
予告編
出 演|永瀬正敏、浅野忠信、白本彩奈 AND 佐藤浩市
渋川清彦、中村優子、川瀬陽太
監 督|石井岳龍
原 作|安部公房「箱男」(新潮文庫刊)
脚 本|いながききよたか、石井岳龍
配 給|ハピネットファントム・スタジオ
Writer/Edit|矢武企画(キャプテン・ポップコーン)
無断転載禁止