矢武企画的23年上半期公開映画ベスト15 [上]

©️ 2022映画『そして僕は途方に暮れる』製作委員会
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矢武企画的23年上半期公開映画ベスト15 [上]

早いもので、2023年もあと4ヶ月切り、映画が好きな方々は恒例のベストテンの時期が近づきつつありますね。
矢武企画は、12年から札幌映画サークルさんをはじめ、雑誌など様々なベストテンに参加しています。

現在、23年1月〜6月末までに100作品近くの「23年公開作品」を鑑賞することができました。
その中から、日本映画・外国映画を合わせて、現時点での矢武企画的ベスト15を、3回に分けて紹介させてください!!! まずは5作品

【一部作品はネタバレ含みます】

※紹介順は矢武企画の鑑賞順です、順位はつけません。

【日本映画】『そして僕は途方に暮れる』 [1/15]

彼女ンちや親友宅など転々と居候して、何も気が利かない、図々しい主人公。徐々に”マイクロ成長”はするけど、基本的にアカン奴。そんな主人公(演:藤ヶ谷太輔)のクズさと、父親役のトヨエツのハイパークズさが合わさって、それが愛しさに変わる瞬間・・・この映画は、おもしろくなってきやがったぜ! 少しだけ家族再生物語。
北海道苫小牧市出身の三浦大輔さん(『愛の渦』『娼年』)が監督する苫小牧ロケ作品。苫小牧シネマトーラスに来たり、ディノスシネマズ苫小牧が言及されたり、登場人物らが映研だったり、随所に映画愛が見受けられる。

【外国映画】『エンドロールのつづき』 [2/15]

インドの田舎で暮らすチャイ売りの少年(9歳)が、映画と映写技師に出会う。少年は、ママの美味しい弁当と引き換えに映写窓から映画を無料で見せてもらうが、支配人にバレたり、フィルムの映画館へデジタルの波が押し寄せて映写技師が失業したり、映画のフィルム盗んで警察に追われたり、なかなか思うように映画を普通に鑑賞することができない環境だが、自分も映画を制作したいと思うようになっていく物語。
本作も、なかなか映画愛に満ち、映画界の現実を描き、同国出身のパン・ナリン監督自身の実話をもとにしたドラマ。
ちなみに、インドは大きいから、人口8000万人の世界都市(IMAX®シアターなども含め映画館は500館ぐらいある都市規模)でも、日本映画が35年間ぐらい上陸していない街があるらしい(インド在中の映画関係者より)。
→インド・フランス合作映画。個人的に松竹配給の外国映画は当たりが多いと感じている!

【日本映画】『ファミリア』 [3/15]

陶器職人・誠治(役所広司)のもとに、海外に赴任中の息子・学(吉沢亮)が婚約者のナディアを連れて、挨拶がてら一時帰国。学は陶器職人を継ぎたいが、誠治は反対する。一方、隣町の団地に住む在日ブラジル人の青年マルコスは、半グレ集団に追われていたところを誠治たちに助けられ、陶器に興味を持つ。そんな中、アルジェリアに戻った学とナディアを悲劇が…。
実は半グレ(MIYAVI)のリーダーにも可愛そうな理由があったりと、各主要キャラに不憫な出来事やキッカケがある(※正当性は別として)。だが、暗い映画ではなく、そういう現実の中でも、日々の暮らしや幸せのために、みんな一生懸命生きている、というメッセージ性をもったヒューマンドラマである。優しい、それだけで人間は素晴らしいんだ、と役所さんの演技から感じ取れた。
また、移民や差別、国内の半グレや海外の紛争などの社会的にセンシティブなテーマを扱うことは特筆すべきところ。

【日本映画】『シャイロックの子供たち』 [4/15]

原作・池井戸潤さん×メガバンク×金貸し×騙し合い、この要素が集まって、面白くないわけがない!
主人公の阿部サダヲさんが演じるフットワークの軽さ、柄本明さんの胡散臭いけど味のあるオヤジ感、この二人の掛け合いが非常に面白い。

https://www.youtube.com/watch?v=3iCwVdaZ8MM

【日本映画】『グッドバイ、バッドマガジンズ』 [5/15]

東京オリンピックの誘致で大手コンビニ3社から成人雑誌撤去、新型コロナウイルス感染拡大の影響、電子出版の台頭による出版不況など、エ○本を通して出版業界全体の苦悩や葛藤を描く。主人公は、志望していた女性誌とは正反対の男性向け成人雑誌の編集に配属されてしまった女性。
この映画、下記の予告編だけでは伝わりきらない面白さがある。そして、ものづくりは「やっぱり楽しいなぁ」と思わせてくれる。今年の隠れた名作でエッチな映画ではないですので女性も安心して観れます、オススメ!

Writer/Edit:矢武企画

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